ふるはし よしこ の日記

J.S.Bachの音楽に魅了された美術家の日記

ポリフォニー

連日気温が30度を超えている。

 

皆川達夫先生の『バロック音楽』を読み直していて、ポリフォニーの説明箇所を読んでいたとき、丁度合唱でも対位法の解説がされた。

 

J.S.Bachの魅力を伝える最適な言葉を、長い間探していた。合唱やチェンバロの演奏体験を通して実感できたことと、私が制作を通して追求していた色彩との関係を皆川達夫先生のこの言葉が実にピッタリと言い当ててくださっている。『バロック音楽』から引用させていただく。

 

 [ ルネサンスポリフォニー書法は、バロック期にも継承されているが、それは調性によって垂直的に規定されるものに変形してしまった。太陽光線がプリズムを通って七色の光に分かれるように、バロックの楽曲は縦と横との何重もの線に分光してゆく。縦と横の精緻な音の網目ーバッハの作品などにそれはもっともいちじるしく、もっとも典型的に示されており、それならばこそ、バッハの音楽は聞くたびに新鮮な喜びと発見とを、わたくしたちに与えてくれることになるのである。]

 

[縦と横の精緻な音の網目]。

美しい和声が聴く者の予想を裏切るようにいちじるしく変化しながら進行していくのが魅力だ。

合唱では、4声の各パートが対等であり、それぞれの旋律が美しい。